霊園に対する疑問にお答えします

酒に酔って乗り越すのは本人の不注意だが、ロンドンの電車は乗り間違えやすい仕組みになっている。
東京なら(東京に限らず、日本全国どこでもそうだと思うが)、山手線とか京葉線とかの路線の電車が決まったプラットホームで発着する。 内回り山手線ならいつも五番ホームという具合に。
そのためにわざわざ、番号の表示まで色分けしており、地方から来た人にもお年寄りにも、よく分かるように配慮している。 これはきわめて日本的な細かな配慮だ。
イギリスはそこが違うのである。 行き先によって、プラットホームが固定していないのだ。

ヴイクトリアとかロンドンブリッジとかのターミナル駅では、行き先によって大まかに分かれているが、プラットホームの番号は、同じ路線でも乗るたびに違うから、必ず駅の掲示板で確かめなければならない。 都心から離れた中規模な駅では、同じ行き先でも入線するホームは、その時々の都合で猫の目のように変わる。
別の言い方をすれば、ひとつのプラットホームに、行き先の違う何種類かの電車が次々に入って来るのである。 同じプラットホームに上りと下りの電車が前後して入ってくることも珍しくない。
これらが乗り間違えの原因になる。 しかも、掲示板に出ているプラットホームが急に変更されることもあり、日本人はよほど耳をすませて駅の放送を聞いていなければならない。
ところで、イギリスで電車を乗り違えて、ややこしいことになるのは切符の精算である。 イギリスでは、まだ自動改札機が完備されていない。
大きなターミナル駅では最近ようやく設置され始めたが、郊外の無人の駅は昔のままだ。 つまり、その駅では切符を受け取るための機械もなければ駅員もいないから、キセル乗車者はフリーパスだ。
これには、アメリカ人の旅行者が驚いていた。 「切符を回収する人は誰もいないのか」と。
しかし、鉄道会社も商売だ。 その分、車内の検札はこまめに回ってくる。

検札に来る職員は、目的地まで切符をもっていない乗客にはきびしく対応する。 単なる乗り間違いによる「乗り越し」もなかなか認めてくれない。
「不正乗車」と断定されれば乗り越し料金だけでなく、罰金も払わなくてはならない。 朝夕の通勤電車の中で、乗客と検札の職員がもめていることがある。
最初から切符を買っていない一家の者は別として、こうした乗り間違いや乗り越しでトラブルになっていることが少なくない。 何を隠そう、かくいう私自身も実は、乗り越しの際に、職員ともめたことがある一人だ。

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